OreImo PSP:DSAO 0072T.txt

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 # Scene: 沙織編・彼女と会うのでござる
<0380> 京介「落ち付けって! おまえが興奮したって、しょうがねえだろ?」
<0420> 桐乃「……なんにもわかってないくせに、偉そうなこと言うな」
<0470> 京介「わかってる! 少なくとも、おまえより!」
<0540> 桐乃「なにそれ? 相談されてたからって、自分が偉いとでも思ってるわけ?」
<05E0> 京介「なんで俺にキレてんの!?」
<0680> 桐乃「黙ってたあんたも、話さなかった沙織も同罪」
<06D0> 京介「ひでぇ! 横暴だろそれ!」
<0790> 桐乃「あたしに隠しごととか、二人してセコいんだって!」
<0850> 京介「…………その、悪かった……」
<08F0> 桐乃「今更、謝ったって遅い」
<0920> 沙織「それでは、何かお詫びの品をご用意するでござる」
<0970> 沙織「きりりん氏の大好きなメルルの同人誌など、いかがですかな……?」
<0A30> 桐乃「それはいらないから、今後は二人で隠しごとなんてしないで」
<0AD0> 桐乃「人がどんだけ心配したかも知らないで……」
<0B50> 沙織「……………………」
<0BC0> 桐乃「ねえ、なんで黙ってたの?」
<0C80> 桐乃「あたしのこと、どうでもいいって思ってた?」
<0D10> 京介「どうでもいいなんて思ってるわけねえだろ」
<0DA0> 桐乃「だったら、あたしに相談するのがそんなにイヤだったの?」
<0DF0> 京介「そういうわけじゃ……。ただ、事があまりにも繊細な話で──」
<0EB0> 桐乃「それなら、余計に相談して!」
<0F60> 京介「そう怒るなって。あのな、沙織だって沙織の事情が──」
<0FF0> 桐乃「……事情があるのは、沙織の顔を見てればわかる」
<1040> 沙織「きりりん氏……」
<1070> 京介「なら、そんなに噛みつくことねえだろ?」
<1110> 桐乃「──あんたの言い訳は聞きたくない」
<1180> 京介「桐乃……」
<11B0> ひょっとしてこいつ、沙織の一大事に《蚊:か》《帳:や》の外にされたことが悔しくて……
<1220> それでさっきからやけに突っかかってきてんのか?
<12D0> 桐乃「……なに? 人の顔じろじろ見て……」
<1390> 桐乃「そうやってあたしのこと、のけものにして楽しい?」
<1420> 京介「のけものになんかしてねーよ」
<14C0> 桐乃「どうだか?」
<1530> 桐乃「あたし、今回の件であんたの信用失くしてるから。まあ、もともとなかったケド?」
<15A0> 京介「そう怒るなって。あのな、沙織だって沙織の事情が──」
<1650> 桐乃「……事情があるのは、沙織の顔を見てればわかる」
<16A0> 沙織「きりりん氏……」
<16D0> 京介「なら、そんなに噛みつくことねえだろ?」
<1770> 桐乃「──あんたの言い訳は聞きたくない」
<1880> 桐乃「チッ……黙ってるところを見ると図星か」
<18C0> 京介「ち、ちげえよ!」
<1930> 桐乃「なにが?」
<1960> 京介「今のはその……。タイミングを見誤ったつーかなんつーか……」
<19C0> 京介「ともかく、言えなかったのにはそれなりに訳があって──」
<1A50> 桐乃「言い訳乙」
<1A80> 京介「言い訳じゃねえって!」
<1B10> 桐乃「あたしには言い訳にしか聞こえないから」
<1BA0> 桐乃「オタクって治したり、更生するもんじゃなくない?」
<1C70> 桐乃「自分の趣味でしょ? なんでそれを他人にとやかく言われて、やめなきゃいけないの?」
<1D20> 京介「そんなこと、俺だって沙織に言ったさ! ああ、言ったとも!」
<1DC0> 桐乃「人が話してるときに口出ししないでもらえる?」
<1E10> 京介「う……」
<1EA0> 桐乃「こほん。でも、まあ……」
<1F20> 桐乃「ただバカみたいに話聞いてただけじゃないみたいだし? そこんとこは、褒めてあげなくもないけど」
<2010> 京介「おまえの言いたいことはよくわかる」
<2050> 京介「わかるけど…………。沙織だってめちゃくちゃ悩んだんだぜ?」
<20F0> 桐乃「あんたには聞いてないから」
<2130> 京介「……は、はい……」
<21D0> 桐乃「あんた……オタクのこと、どう思ってる?」
<2220> 京介「俺か? 俺はそりゃあ──」
<2260> ……………………どう思ってんだ?
<22A0> オタクはオタクで、アニメとかゲームが好きで……
<22F0> 俺の中じゃ、それ以上でもそれ以下でもねえ……
<2370> 桐乃「答えられないの? じゃあ、あたしが言ったげる」
<2400> 桐乃「オタクって、趣味ってだけじゃないの。そのヒトの生き方にもなってるの」
<24E0> 桐乃「それを簡単に捨てようって、自分が自分で無くなるみたいなもんじゃん」
<2580> 京介「…………桐乃」
<2610> 桐乃「なにも……言えない?」
<2680> 桐乃「それじゃ、沙織。あんたはどうなの?」
<2710> 桐乃「だからって、今の状況はなに?」
<2750> 京介「それは……。でも、沙織はやれることをやって──」
<27E0> 桐乃「やれることやったって、負けてちゃ意味なくない?」
<28B0> 桐乃「勝負は勝つために挑むの。なんでそれがわかんないかなぁ?」
<2950> 京介「沙織がどんだけ頑張ったか知らないくせに、好き勝手言うんじゃねえよ」
<2A10> 桐乃「知ってるわけないじゃん。二人してあたしにナイショにしてたんだから」
<2A70> 京介「そりゃそうだけど……。でも、沙織の顔見てりゃなにがあったかなんて、だいたいわかるだろ?」
<2B30> 桐乃「……知らない」
<2B60> 京介「知らないって……ああもう!」
<2C10> 京介「……確かにそうかもしんねえ」
<2C70> 桐乃「ふーん。否定しないんだ?」
<2CB0> 京介「ああ、俺たちは勝負した。その結果がこのザマだ」
<2D00> 京介「でも……沙織は負けてなんかいねーよ! 立派に闘って、その結果──」
<2DA0> 桐乃「その結果が負けじゃ意味ないって言ってんの」
<2DF0> 京介「ぐっ……」
<2E80> 桐乃「……現実は、勝たなきゃ認めてもらえないの」
<2EF0> 桐乃「結果を残さなければ、どんなに頑張ったって独りよがりなだけ」
<2F50> ……それってもしかして、自分の陸上のことを言ってるのか?
<2FE0> 桐乃「ゲームみたいに簡単にリセットできないから現実なの。……勝負を甘っちょろく捉えんな」
<30C0> 桐乃「そんなんだからダメなんだっつーの」
<3100> な、情けないが、なにも言い返せん……
<3180> 桐乃「あんたもさー、『沙織、沙織』ってぐるぐる眼鏡にばっか押し付けてないで──」
<3270> 桐乃「相談聞いて解決しようとしてんなら、婚約者の家に乗り込んで爆発するぐらいの覚悟見せてよ」
<3320> 京介「なんで俺爆発しなきゃいけないの!?」
<33C0> 桐乃「たとえでしょ? それくらいの本気見せろって言ってんの」
<3450> 桐乃「別に爆発じゃなくても、碇抱いて東京湾に沈むとかでもいいし」
<34B0> 京介「おまえの頭の中のシナリオって、割と本気で俺のこと殺そうとするよね?」
<3570> 桐乃「だから、死ぬ気の勢いが大切ってことじゃん」
<3610> 京介「……おまえの言ってることも、一理あるかもな」
<3660> 京介「今回、俺は沙織の相談に対して、無責任過ぎたかもしんねえ」
<36C0> 沙織「そんなこと……ちっともないのでござるよ?」
<3710> 京介「いや、結婚は当人同士の問題だし、俺が口挟むことじゃねえって遠慮してたところはあった」
<37A0> 桐乃「どう考えたって間違ってる問題なら、他人が口挟むのもアリだと思う」
<3840> 桐乃「だって、口出ししてもらいたいから、人って誰かに相談するんでしょ?」
<38E0> 桐乃「自分の考えを認めて欲しいとか、否定して欲しいとか思って、意見を求める訳じゃん」
<3990> 桐乃「間違ったことを言われるより、スルーの方が絶対キツイ」
<39E0> 京介「なるほど……」
<3AA0> 桐乃「あんたも沙織もおんなじ」
<3B60> 桐乃「あたしには、こそこそ逃げ回ってるようにしか見えないから」
<3BE0> 京介「逃げてねえ! 迷ってるだけだ!!」
<3C20> 京介「寧ろ、逃げ道すらないどん詰まりだぞここは?」
<3CB0> 桐乃「逃げ道すらないって言うなら、逃げ道を作ればいいだけ」
<3D00> 京介「逃げ道っつっても……」
<3D90> 桐乃「……あんたはあたしに逃げ道を作った」
<3DD0> 京介「え?」
<3E30> 桐乃「オタク趣味のことで迷って、どうにもならなくなったあたしに色々したでしょ」
<3F00> 桐乃「あのときの覚悟はどこ? あたしにできたこと、できないなんて言わせないから」
<3F70> 京介「桐乃……」
<3FA0> 桐乃の言いたいこと、なんとなくわかった気がする。なんとなくだけど……
<4060> 桐乃「そこのぐるぐる眼鏡!」
<40F0> 桐乃「あんたも今の話聞いてたなら、なんか言ったら?」
<4140> 沙織「きりりん氏……」
<41E0> 京介「逃げ回ってなんて……」
<4250> 桐乃「あんたには聞いてない」
<4280> 一刀両断っすか……
<42F0> 桐乃「あたしは沙織に聞いてんの」
<4340> 京介「……桐乃」
<43F0> 桐乃「今の沙織は、あれこれ言われて受け入れられなくて、結局、自分を否定して逃げてるだけじゃん」
<44B0> くそ……なんて言い返したらいいかわからん……
<44F0> 沙織「きりりん氏、拙者は……」
<4530> 京介「沙織、桐乃の言葉が悔しかったら言い返していいんだぞ?」
<45C0> 桐乃「なに? なにか言いたいことでもあるなら聞くけど」